轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
10 その九 覆面屋敷
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 26,820 字 · 54 页
テーブルのゆれるように私の手もゆれていたし、私の手のゆれるようにテーブルもゆれていたように思えるのよ。テーブルのゆれるのも止るのも、いつも自然に私の手と一しょで、ピッタリ合っていたわ。フシギな力が私とテーブルをピッタリ一ツに合わせて動かしたり止めたり自由自在にしているのが、ハッキリ感じられたと思うのよ」
すると文彦もフシギそうに目を光らせて、
「ぼくも、そうだったと思うなア。変な力が自然にぼくの手をうごかしていたような感じがするよ」
英信は目をむいた。しかし、すぐ暗い顔になった。バカバカしくて、たまらないという顔だった。いつもの陰鬱さで物音もないように立ちあがり、
「とにかく、風守さまが今夜死ぬということは、大変なマチガイです。今夜は決して死ぬ筈がない」
そう呟いて、立ち去ってしまった。
その英信が再び座敷へ戻ってきたのは、どれぐらいたってからであったろう。二三十分はすぎていたろうか。もッとすぎていたろうか。とにかく、特に招かなければ本邸へ来ることのない英信が、それも共通の話題もなく、今まで自発的に遊びに来た例の一度もない子供たちのところへ、再び姿を現したというのは珍しいことであった。