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とうようぶんかしにおけるぶっきょうのちい
東洋文化史における仏教の地位
高楠 順次郎
外務省文化事業部に於ける講演、1930(昭和5)年2月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,830 字 · 69 页
バラモンはこれを本職としているのであります。そういうことを専門にしているのがバラモン族であるが、仏教はそうでなく、昨日まで百姓をしておった者も、バラモン族も、王族も、男も女も皆入るのでありますから覚えておれといってもなかなか困難である、そこで紀元前八年頃に一切経を文字に書き残しました。それから以後その通りを守っているのが是が小乗の一切経であります。セイロン、ビルマ、シャム、カンボジャの一切経も同じことであります。同じ一切経を死守しております。それより他のものは一切入れない、その時に決めた通りを今に守っております。これがインドの小乗一切経である。
所が大乗という方はそんなことをしない。一所に集成してこれが大乗の一切経でございというようなことはいわない。それでありますからどんな形であったか分らない。全部で幾らあったかも分らない。それでインドで出来た小乗一切経はシナに一冊も来ないといってよい。たくさんきておることはきておりますが、向うで一切経だといっているものは一冊もきておりませぬ。たった一冊「善見律」というのを訳したのがありましたのを私が発見した。二冊目を探そうとしても見出せない。