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しょくぶつき

植物記

牧野 富太郎

在线阅读牧野 富太郎《植物記(しょくぶつき)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 165,848 字 · 327 页

青空文庫

中肋

雌蘂の Style を花柱と訳したのは伊藤氏で宇田川氏も同様であるが『植物学』では管といっている。Stigma の柱頭もまた伊藤氏の創訳で宇田川氏もこれに従っているが『植物学』では単に口と訳している。

Ovule を子房と為しそれが今一般の通称と成っているがこれは始め『植物学』に出て居り支那人の訳語である。伊藤圭介氏はこれを実礎と書いているがこれは同氏の創作語であろう。そして宇田川氏はこれを卵巣といっている。

中肋

今日の植物学者は通常葉面の中道を成す主脈すなわち Midrib を中肋といっているが、これはすこぶるマズイ言葉であるので私は日常未だ曾てこんな語を使用した事がない。そして何時も中脈と書ている。抑もこの中肋なる語を作った人は誰かと顧みて見るとこれは東京大学教授の矢田部良吉博士であって、すなわち明治十六年発行の同氏訳『植物通解』で公にせられたものである。元来 Rib は肋骨の事であるから Midrib をそのまま中肋と訳しても別に悪い事は無けれどもここは訳者は大いに気を利かさねばならぬ所であった。なぜならば元来肋骨というものは背中の脊椎骨から派れて斜めに前方の胸部に向い横出した狭長骨であってこれが一胸骨に湊ってはいれどその胸骨は肋骨では無く、つまり中肋骨というものが無いからである。