轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

もみノきはのこった

樅ノ木は残った

山本 周五郎

04 第四部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,078 字 · 285 页

青空文庫

十左衛門の濡れた頬が、黄昏の片明りを映して光った、「七十郎は繩目の恥を受け、獄に囚われ、打首となって、死躰をここへ捨てられた」と十左衛門は云った、「――この非道な仕置は国老の名においてなされた、原田どの、貴方は国老だ、この、酷薄無残な処刑の責任は貴方にもある、いや貴方にこそ、あれほど七十郎に信頼されていた貴方にこそ、もっとも大きい責任がある筈だ」

「それで気が済むなら、存分に私を責めるがいい」

「その口だ」と十左衛門は歯をむきだして叫んだ、「そのとりすました殊勝げな口ぶりで、人を籠絡し瞞着してこられた、だが私はもう騙されはせぬ、盲人は顔色音声によって真偽を眩まされることはない、貴方がいつかここへ来られることもわかっていたし、どういう気持で来られるかということもわかっていたのだ、原田どの、この場だけでもよい、偽わりのない本心をうかがおうではないか」

「松山の主水どのがいっしょだ」と甲斐は主水を眼で招きながら云った、「ここで話したいことがあって案内を頼んだのだが、ちょうどいいおりだ、十左衛門にも聞いてもらうとしよう」

「御本心でしょうな」

「自分のことではなく、万治以来の出来事がどういう意味をもっているか、いまそれがどう動いているか、ということを知ってもらいたいのだ」