轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

05 第五部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页

青空文庫

次郎は、その笑顔を思いうかべながら、風呂をわかすことについての大河との問答を心の中でくりかえした。そして、大河が最後に言った言葉まで来ると、われ知らず肩をすくめ、吐息をついた。

(やはり、どこか突きぬけたところのある人だ。ものごとにとらわれない、あの自然さは、ぼくなんかとは、まるで段がちがう。)

かれは、それからもながいこと、机の上にほおづえをついて、大河の笑顔と言葉との意味を心の中でかみしめていた。かれの臂の下には、恭一から来たはがきがあった。

と、だしぬけに、窓のそとから、給仕の河瀬の声がきこえた。

「本田さん、朝倉先生がお呼びです。空林庵のほうにおいでくださいって。」

次郎が窓をあけると、

「どなたかお客さんのようですよ。」

「お客さん?」

次郎の眼には、つい忘れかけていた恭一と道江の顔が、大河の顔に代わって、やにわに大きく浮かんで来た。

「どんなお客さんだい。」

「大学生のようでしたが。」

「ひとり?」

「いいえ、女の人がいっしょです。」

「そうか、いま来たんかい。」

「ええ、たった今でした。」

河瀬はにやにや笑っている。次郎は、自分がどんなおろかな問答をくりかえしているかには、まるで気がついていないらしく、