轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

05 第五部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页

青空文庫

日の出がせまって、雲が金色に燃えあがっていた。数秒の後、まぶしい深紅の光が弧を描いてあらわれたと思うと、数十本の櫟の幹の片膚が、一せいにさっと淡い黄色に染まり、無数の動かない電光のような縞を作った。

「しずかであたたかい色だね。」

朝倉先生は、櫟の林に眼をこらしたまま、ささやくように言った。夫人も次郎も、言葉の意味をかみしめながら、かすかにうなずいただけだった。

太陽がすっかりその姿をあらわしたころ、今度は次郎が言った。

「あの櫟林の冬景色は、たしかにこの塾の一つの象徴ですね。ことにこんな朝は。――まる裸で、澄んで、あたたかくて――」

「うむ。しかし本館からはこの景色は見られない。惜しいね。」

「すると、この住宅の象徴でしょうか。しかし、それでもいいですね。――先生、どうでしょう。櫟の林にちなんでこの住宅に何とか名をつけたら。」

「ふむ。……空林、空林庵はどうだ。つめたくて、すこし陰気くさいかな。」

「しかし、空林はすばらしいじゃありませんか。ぼく、すきですね。庵がちょっとじめじめしますけれど。」

「それはまあしかたがない。こんな小さな家には、庵ぐらいがちょうどいいよ。