轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

05 第五部

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 页

青空文庫

「ちょうど、昼になってしまったが、私のぶん、食事の用意ができるかね。」

「はい、用意しておきました。」

「用意しておいた? 私が来るの、わかっていたのかい。」

「ええ、お宅にお電話をしましたら、こちらにお出でになるようにおっしゃったものですから。」

「ふうむ――」

と、先生が、けげんそうに次郎の顔を見ているところへ、朝倉先生がやって来て、

「お待ちしていました。雪の中を大変だったでしょう。」

「いや――」

と、田沼先生は次郎にオーバーをぬがせてもらいながら、ちょっと声をひそめて、

「東京のさわぎ、もうこちらにもわかっているんですね。」

「ええ、あらまし。……大学にかよっている、本田君の兄から電話で知らしてくれたものですから。」

「なるほど。……ここだけは別天地だなんて考えるわけには、いよいよいかなくなって来ましたかね。はっはっはっ。」

朝倉先生も笑った。が、すぐ真顔になり、

「実は小川博士もお待ちかねです。今日はちょうどご講義の日でお見えになっていたものですから。」

「ああ、そう。それは好都合でした。」

次郎は、二人がそういって塾長室にはいるのを、自分もあとについてはいりたい気持ちで見おくっていた。