轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

すいちゅうのかいじん

水中の怪人

山本 周五郎

「少年少女譚海」博文館、1939(昭和14)年6月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 8,922 字 · 18 页

青空文庫

「どうした、なにかあったのかい」

「啓吉君が見えなくなったんです。いやお待ち下さい。いま、くわしく申上げます」

文吾は社長と向い合って椅子にかけた。

鹿島社長が驚いたのは云うまでもない。文吾のくわしい話を聞くあいだに、社長の肥った額にはあぶら汗が玉のように浮いた。

「河童などとは嘘だ」

社長は卓子をたたいて叫んだ。

「僕もそう思いますが、しかしこれまで三度も」

「嘘だ、みんな嘘だ」

「――――」

「これは津川の奴の仕業にちがいない」

「津川と云いますと、……あああの」

「君たちが葵丸で逢った男だ。私が工場から追出したあの男だ。――私も今日まで河童の噂は聞いていた。そしてそれがどういう細工なのか、考えてもみなかった。しかしいまになるとよく分る。これは津川の奴のしたことだ」

「なにか理由があるのですね」

「今まで誰にも云わなかったが」

と社長は声をひそめて、

「私は数年まえから水中砲の発明をしている。これは沿岸防備に使うもので、簡単に云えば海中の要塞だ。――君も知っているように、海の中では、水の抵抗と圧力があるため、弾丸を発射してもごく近距離までしかとどかず、しかもその威力は微々たるものである。