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えいえんのかんかく

永遠の感覚

高村 光太郎

「知性 第四巻第一号」、1941(昭和16)年1月1日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 2,112 字 · 5 页

青空文庫

永遠性とは果して時間の問題か。しかし、どうも違う。芸術の実際を思い合せると、どこかこの推考には間違がある。

芸術に於ける永遠とは感覚であって、時間ではない。これが根本である。

一つの芸術作品の持つ永遠性とは、(むろん価値の持続性を含むが、)その作品の力が内具する永遠的なるものの即刻即時に於ける被享受性であって、決して永遠時への予約や予期ではない。その不滅とは不滅を感ぜしめる力であって、決して不滅という事実の予定認識ではない。持続を瞬間に煮つめた、言わば、無の時間に於ける無限持続の感覚なのである。明日焼き棄てられる事の決定している作品にもわれわれは永遠を感ずることが出来るであろうし、有ると思えばあり無いと思えば無いような、あるかなきかの感動をうたった詩歌にもわれわれは永遠を感ずる。前者は物質上、後者は内容上に永遠を拒否している場合である。それ故、芸術が永遠を欲するのは長命を欲するのでなくして、性格を欲するのである。芸術は美を求めて進むものであり、その美の奥にはおのずから永遠を思わせるものが存在する。美は常に或る原型へと人を誘導する性質を持っているからである。