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さばくのこと
沙漠の古都
国枝 史郎
「新趣味」博文館 、1923(大正12)年3月~10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 110,076 字 · 220 页
その日とそしてその翌日と二日かかって小屋の中を規則正しく片附けた。今のところ食料と飲料水とは「見えぬ恩人」が持って来てくれるので心配する必要はなかったけれど、いつそれが中止になるかもしれぬ。自分で食物と飲料水とを供給することに心掛けなければ困難な目を見るだろう……このように私は考え付いたので果実の所在と泉の出場所とを毎日熱心に探し廻った。
私はこんなように考えた……。
「こんな厳重な小屋を造って猛獣狩りをした位だから、十日か二十日で小屋を見捨てて立ち去って行った筈はない。一月や二月は小屋に籠もって生活していたに相違ない。あるいは半年も一年もここに籠もっていたかもしれない。それではその間を猟師達は市から持って来た食料や水で、生活をしていたろうか? 五人の猟師の一年間の食料! それは随分大したものだ。とてもそれだけの大量の物をこの小屋へ貯えては置かれない。それでは彼らはどうしたろう? 自分の思うところでは恐らく彼らは食料や水を小屋の附近の林の中で求めていたに違いない! だからそいつをこの俺も林の中で見つけよう」
幸いにも私のこの考えは間もなく事実になって裏書きされた。