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ほうそうやわ
法窓夜話
穂積 陳重
02 法窓夜話
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 136,325 字 · 264 页
一九 松平信綱の象刑
それで、島津氏も厳令を下して喫煙を禁止しようとしたのである。「崎陽古今物語」という書に次の如き記事が見えている。
竜伯様(島津義久)惟新様(島津義弘)至二御代に一、日本国中、天下よりたばこ御禁制に被二仰渡一、御国許之儀は、弥稠敷被二仰渡一候由候処に、令二違背一密々呑申者共有レ之、後には相知、皆死罪に為レ被二仰渡一由候云々。
この如く違犯者を死刑に処するまでに厳重に禁制したのであったけれども、その効果は遂に見えなかったのである。同書、前掲の文の続きに、
執着深き者共は、やにをほそき竹きせるに詰、紙帳を釣り、其内にて密々呑為申者共も、方々為有レ之由候。
と有るのを見ても、因襲既に久しきがため、この風の牢乎として抜き難かったことを知ることが出来よう。かくて、後年に至って薩摩煙草はかえって天下の名産たるに至ったのである。
一九 松平信綱の象刑
支那においては、古代絵画に依って刑法を公示し、これに依って文字を知らない朦昧の人民に法禁を知らしめる方法が行われた。「舜典」に「象以二典刑一」といい、呉氏がこれを解釈して、「刑を用うるところの象を図して示し、智愚をして皆知らしむ」