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なみあらくとも

波荒くとも

小川 未明

「小学五年生」1939(昭和14)年3月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,368 字 · 11 页

青空文庫

枯れ草に火をつけてたいたり、根を掘り起こしたりするのが、いまから楽しみなんだ。そして、兄さんが、凱旋していらっしゃるまでに豆をまいたり、芋を作ったりしておいて、兄さんをびっくりさせるんだ。なぜなら、兄さんだって、あのかや山には、ちょっと手がつけられなかったのだからな。姉さん、僕は、満洲へでも、どこへでもいけるよ。僕がいくときは、隣の徳ちゃんも、いっしょにいくというんだ。二人でなら、うちのお父さんも許してくださると思っている。姉さん、なにか満洲のことを書いた本があったら、どうか送ってください。僕、とても見たいのだから……。」と、書いてありました。

みつ子は、いつも弟の元気でいるのをうれしく思いました。そして、たえず希望にもえているのをなんとなくいじらしく思いました。しかし、これからの世の中へ出て、ひとり立ちしていくには、どこにいても、今朝の小僧さんのように辛いめにもあうことがあるだろう……。そして、それに打ち勝っていかなければならぬのだと思うと、また、心の中が暗くなるのでした。

「どうぞ、神さま、小さな弟や、弟のような少年をば助けてやってください。」