轻松读懂日语经典作品
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なみあらくとも
波荒くとも
小川 未明
「小学五年生」1939(昭和14)年3月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,368 字 · 11 页
二
「東京は、雪がないというから、結構なこった。あっちへ着いたらすぐに便りをよこせよ。」
「叔父さんが、停車場へ迎えに出ていてくれるかい。」
「待っていてくださるとも。それでも、所番地書いた紙をなくすでないぞ。」
峠を上ると、小鳥が、そばの枯れ枝に止まってさえずっていました。
「つぐみみたいだなあ。」
少年は、しばらく立ち止まって、それに見とれていました。こんな小鳥といっしょに山の中で暮らしているほうが、東京へいくよりは幸福のように感じられたのです。いつのまにか母親の姿が遠くさきへいってしまいました。少年は驚いてその後を追ったが、どういうものか足が重くて、なかなか動きません。いくら早く走ろうとしても足が進みません。ただ気が急いで、体をもだえているばかりでした。
小僧さんは、苦しいうちに、こんな夢を見ているのでした。
二
町の商店に、女中をしているみつ子は、ちょうどお使いに出て、銀行の前を通りかかりました。
「あら、小僧さんが、どうしたんでしょう。」
みつ子は、少年のたおれているところへきました。見ると、その顔色が真っ青になっています。そして、苦しそうに息をしていました。