轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

りゅうせんスパイ

流線間諜

海野 十三

「つはもの」1934(昭和9)年~1935(昭和10)年頃

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,982 字 · 70 页

青空文庫

この話から考えると、首領は遂に警報を他の密偵区へ発したものらしい。それで召喚された密偵の一人が早速駈けつけたので、「右足のない梟」が迎えに出たものらしい。

「大変なことが起ったのだよ。『折れた紫陽花』君、例のマッチ箱が日本人の手に渡ったため、わが第A密偵区は遂に解散にまで来てしまった」

「ほう、マッチ箱がねえ」

といったのは「折れた紫陽花」と名乗る他区の密偵だった。

「それは君のところだけの問題でなく全区の大問題だ」

「しかし心配はいらぬ。すぐマッチ箱はマッチの棒とも全部回収した」

「それは本当か」

「まず完全だ。ただマッチの棒の頭を噛んで死んだ婦人の屍体の問題だが、これも今日のうちに盗み出す手筈になっているから、これさえ処分してしまえば、後は何にも残っていない」

「それならよいが……だが日本人はマッチの棒の使い方を感付きやしなかったかナ」

「それは……」と「右足のない梟」はちょっと言葉を切ったが「まず大丈夫だ。恐ろしい奴は帆村という探偵だが、こいつも樽の部屋に永遠の休息を命じて置いたから、もう心配はいらぬ」

「永遠の休息か。フフフフ」と「折れた紫陽花」は笑いながら「マッチの棒の使い方が分ると、われわれの持っている秘密文書はことごとく書き改められねばならない。