轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
彼の体を弾丸のごとく縮め、硝子窓の真中めがけてぶっつけたのであった。いや、ぶっつけたのではなくて、その大きな窓硝子を全身でもってうちやぶり、外へとびだして行ったのであった。
がちゃん、がらがらがら。
ひどい音だ。その音が、リット少将の耳にはいった時は、機関大尉は、硝子の破片もろとも、窓の外へおどり越えていたのであった。
二枚の板片――彼が両手にしっかと持っていたその板片は、この大冒険にあたって、彼の顔面がじかに窓硝子に当って大怪我をするのを安全にふせいだのであった。
機関学校時代、機械体操にかけては級中に鳴りひびいた川上機関大尉であればこそできた離れ業であった。
「ああ!」
「おお!」
さすがのリット少将も、また警備隊員達も、この早業にすっかり胆をつぶしてしまって、藁人形のように窓硝子の穴を呆然とみつめるばかりであった。
杉田二等水兵は、胸がすーっとした。そして、
「おお!」と、思わずうなった。こんな痛快なことがまたとあろうか。もう死んだものと諦めた刹那に、ぱっと生きかえったのである。死中に活を求める。これこそ日本にのみ伝わる武芸の神秘であった。
「おい、お前たち、なにをしている。