轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页

青空文庫

「なんだ、そのいい方は――」と大尉はたしなめて、

「杉田がいないのか。杉田といえば川上の世話をしていた水兵だろう」

「はっ、そうであります」

「そうか、杉田が姿を消したか」

大尉はさてはと思ったが、顔色には出さず、

「すぐ行くから、お前は先へ分隊へ行っておれ」

「ははっ、先へ参ります。しかし……」

大辻は体をかたくして、

「当直将校。私がしゃべったことは、ないしょにねがいたいのであります」

「なぜか」

「ははっ、私はいま、村の鎮守さまに願をかけまして、向こう一年間絶対にしゃべらんと誓ったところであります。でありますから、私がしゃべったということは、お忘れねがいたいのであります」

「変なことをいいだしたね。それほどにいうのなら、お前のいうとおりにしよう。さあ、早く先へ行っておれ」

「あ、ありがたいであります」

大辻は、やれやれと胸をなでおろしながら、昇降口の方へ駈けていった。

長谷部大尉は副長に、この新たな事件を伝えると、すぐその足で、杉田二等水兵の分隊へ行った。

そこでは分隊長以下が集って、憂わしげな面持で、一枚の紙切を読んでいるところだった。

「杉田二等水兵が姿を消したそうだな」