轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
「少年倶楽部」大日本雄弁会講談社、1938(昭和13)年1月~12月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 页
扉のところには、さっきのボーイが立っていた。そのボーイの手には、いつの間にかピストルが握られていて、きらりと光った。
「近よれば、ぶっ放すぞ」
といわんばかりである。
「うーむ、こいつが……」
杉田二等水兵は、怒心頭に発し、顔を朱盆のように赤くして、中国人ボーイを一撃のもとに――と思ったが、そのとき彼の後で、
「わっはっはっはっ」
と、破鐘のように笑う者があった。
「何者?」
杉田が、はっとして後をふり向くと、その薄暗い室のまん中に、空箱を椅子にしてふんぞりかえっている髪の赤い大男! 腰から上は申しわけばかりのシャツをまとい、たくましい腕にはでっかい妙な入墨をしている、見るからに悪相で、一癖も二癖もあるような白人だ。
その横には、これも眼玉の青い唇の真赤な白人の若い女が、ぺたりとくっついていて、前の卓子には、酒壜やコップがごちゃごちゃ並んでいた。
「野郎、おとなしくせんか。あばれると、これだぞ!」
と、かの入墨の大男は、どこで仕入れてきたのか、流暢なべらんめえ言葉で呶鳴ると、傍から、長い黒いものをとって小脇にかかえた。見れば、それはアメリカでギャングの使う軽機関銃であった。