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うみからきたつかい
海からきた使い
小川 未明
「少女倶楽部」1925(大正14)年1月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 6,149 字 · 13 页
」と、思いました。そして、少女は、近づくと、赤ん坊を負って、唄をうたっている娘にやさしく問いかけたのであります。
「もう日が暮れるじゃありませんか。こんなにおそくなるまで、あなたは外に立って、唄をうたっておいでなさるのですか。」と、少女はいいました。
赤ん坊を負っている娘は、知らない少女ではありましたが、こうやさしく問いかけられると、目に涙をためて、
「お母さんが病気なもんですから、乳をたくさん飲ませることができないのです。なるたけ、赤ちゃんを眠らせるために、こうして、いつまでも外に立って、唄をうたっているのです。」といいました。
少女は、娘のいうことに、深く同情いたしました。
「そんなら、夜中でも起きて、あなたは唄をうたいなさるのですか?」
「夜中でも起きて、私は、牛乳を飲ませたり、泣くときは守りをしなければなりません。」と、娘は、答えました。
美しい、やさしい少女は、感心してしまいました。
「わたしが、今夜、あなたに代わって赤ちゃんの守りをしてあげましょうか……。」と、少女はいいました。
「ありがとうございます。母が、かえって気をもみますから、どうぞお気にかけないでください……。