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おんせんへでかけたすずめ

温泉へ出かけたすずめ

小川 未明

「赤い鳥」1928(昭和3)年3月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 4,988 字 · 10 页

青空文庫

」と、いうものもあれば、

「ここは、だいじょうぶですよ。空気銃などを持って歩く子供はいませんから……。」と、あるすずめはいいました。

「それは、いいことを聞いたものだ。いつ、どういうさいなんにあって、傷を受けないものでもない。だれかここにいるもので、けがをしたときは、どうか、その温泉へつれていってください。」と、会長は、北の国のすずめにいいました。

こうして、彼は、みんなの仲間入りをして、楽しく生活をつづけたのです。しかしまったく不安というものなしに、すべての生き物は、生きることはできなかったのでした。

ある日、多くのすずめたちの中の一羽が、やはり、どこかで空気銃にうたれて、傷を受けて帰ってきました。すると、みんなは、温泉へいくことをすすめた。

「あの山のあちらの温泉へ、どうかつれていってください。」と、会長が、みんなに代わって、北国からきたすずめに頼みました。

「お安いご用です。」と、彼はさっそく、承知して、傷ついた友だちをいたわりながら、あちらの温泉へと出かけたのです。

一度、いったところであるから、道を迷う心配もなかった。二羽のすずめは、山を越えて、湯気の立ち上る温泉へついたのでした。