轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ばくやくのはなかご

爆薬の花籠

海野 十三

「少女倶楽部」1940(昭和15)年6月~1941(昭和16)年6月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 101,908 字 · 204 页

青空文庫

そして、一等運転士から命じられたとおり、今はかえって、帆村荘六の身辺をまもって立つという変り方であった。

房枝は、早くも、一切のことをさとってしまった。ことに、一等運転士が、身分証明書を見たとき、「ほ、帆村荘六!」と、叫んだのを聞いてしまったのだ。

(やっぱり、そうであったか。名探偵帆村荘六に、どこか似ていると思ったら、似ているはずだ、その本人なんだもの)

房枝は、思わず、曾呂利本馬、ではない帆村荘六のそばにかけよったが、うれしいやら、ちょっときまりがわるいやらで、

「帆村さん。どうもすみません。あたしを、救ってくだすって」

といっただけで、あとは口がきけなかった。

が、とにかく、よかった。いつも人にいじめられてばかりいた曾呂利本馬! 病身らしい青白い顔の曾呂利本馬! 脚をけがして、繃帯をまいている気の毒な曾呂利本馬! 房枝がいつもかわいそうで仕方のなかったその曾呂利が、ここで一変して、アラビヤ馬のような精悍な青年探偵帆村荘六になったのである。もうこうなったうえは、彼のため、房枝は胸をいためることはいらなくなったのである。房枝の身も心もかるくなった。