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げんだいのさじゅつ
現代の詐術
「個性 第一巻第一号」思索社、1947(昭和22)年12月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 12,471 字 · 25 页
大衆とは、そういうものだ。
狸御殿のトノサマも、そのうち代議士ぐらいになるかも知れぬ。トノサマがなるというのは大衆がさせることでもある。トノサマだから参議院かも知れぬ。それでいゝではないか。なぜいゝか。大衆が選んだ、そして、そうなったから。
自分一人がエライと思うな。オレはエライ、大衆はバカだ、そんなことを言う奴は、私はキライだ。そういう奴はすぐ道徳的、一人よがりの顔をし、権力をふり廻し、小役人根性を現し、ファッショとなる。誰もエラクはない。
戦争中は四王天というユダヤ退治の中将が日本一の票数で代議士になった。それでいゝではないか。大衆は権力に追いまくられ、その命にたゞこれしたがい、左へ右へ、たよりない。けれども結局は権力にもみぬかれている大衆が、権力をうごかしている、そういう姿が現れてくる。歴史というものゝ姿である。
大衆とは何であるか。政治も知らぬ。文学も知らぬ。国の悲劇的な運命も知らぬ。然し、大衆は生活している。
ウマイモノが食べられない。そんな日本は負けてなくなれ。大衆はそういうものだ。日本が亡びてもウマイモノがたべたい。あの人と一緒にいたい。