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だんじょこうさいよりかていせいかつへ
男女交際より家庭生活へ
宮本 百合子
「女性日本人」1922(大正11)年3月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 17,488 字 · 35 页
少くとも、夜間だけは、母親の時間、両親だけが、彼等一日の仕事をまとめ、或は悠くりと楽しみ休む時間になるのです。五つ六つになり幼稚園に通う頃になると、子供は次第に、独りで物事を処理することを訓練されます。友達同士の子供の社会で、一人だちで行為することを許されます。若し通路に危険がなく、公園にでも近ければ、子供は独りで一定の時間まで遊ばせられる。朝顔を洗うこと、挨拶すること、自分の着物を出来る丈自分で始末して、玩具や靴、帽子等に対して責任感を持たせられる。小さいながら、年相当一人の紳士とし、又は淑女として、両親の教育は次第に理智的、実際傾向を加味して来るのです。
可愛ゆいと云っても、徒に贅沢な着物を着せるではなく、ちやほやするではなく、たとい転んで泣いても自分で起きさせ、自分で壊した玩具なら、自分でなおすなり、工夫してそれを巧く使えるようにするなり、何でも自発力で生活させようとする意識は、如何程、彼等親達の心に深い根を下しているか分りません。
矢鱈に自由を拘束しない代りには、子供に悪感化を与える圏境からは出来るだけ遠ざかる。父が事務所に出勤し、一寸芝居でも見に出かけるには如何にも都合よい下町の家があったのだけれども、子供の為に、生理的、精神的に危険が多いから、自分達は着物一組ずつを儉約して、部屋代の高価な山の手