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きけいのてんにょ
畸形の天女
江戸川 乱歩
「宝石 第八巻第十一号」1953(昭和28)年10月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 16,893 字 · 35 页
少女は栄養不良のような青い顔をしていた。セーラー服もよごれてみすぼらしかった。そして、からだ全体に、なにかしら畸形な感じがあった。殊に顔がそうだった。べつに片輪なところはなかったし、顔も不愉快な顔ではなかった。可愛らしくさえあった。それでいて、どこか畸形なものがあった。ひょっとしたら、彼女の心の畸形が、なんとなく外面に漂っていたのかもしれない。眼が大きくて、ちょっとおでこだった。鼻は低く、口が大きかった。頬から頸にかけては、ほっそりしたいい線を持っていた。
「おじさんはほんとうを言うでしょう。ウソを言わないでしょう。あたし、そう思うわ」
「なぜだい」
「顔でわかるの。あたしの知ってる男の人たちと、ちがうんだもの。ちがう世界の、ほんとうの人だもの」
「じゃあ、君の知っている男の人たちは、ウソの人なの?」
「ウン、そうよ。ウソの人よ。だから、ほんとうのことが言えないの。学校の先生が、一等そうよ」
松永はこの少女に興味を感じ出した。言葉づかいは幼いが、なにか畸形的に早熟な心を持っているような気がした。
「恋愛ってへんなものね」
少女はポツンと言った。松永は又もギョッとさせられたが、だまっていると、