轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ぎわく
疑惑
江戸川 乱歩
「写真報知」報知新聞社、1925(大正14)年9月15日、25日、10月15日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,308 字 · 37 页
四、十一日目
そんな風でどうしても機会がないのだ。……
それに、たとえ機会が与えられたとしても、祠のうしろを見ることは、非常な勇気の入る仕事だ。イザとなったら、おれにはこわくて出来ないかも知れぬ。だれが犯人だか極まらないのも、無論堪まらないことだ。といって、肉親の中のだれかに相違ない犯人を、確めるというのは、これも恐しい。ああ、おれは一体どうしたらいいのだ」
「…………」
「つまらないことをいっている間に、妙な所へ来て終ったね、ここは一体何という町だろう。ボツボツあと戻りをしようじゃないか」
「…………」
四、十一日目
「おれはとうとう見た。例のほこらのうしろを見た……」
「何があった?」
「恐しいものが隠してあった。昨夜、皆の寝しずまるのを待って、おれは思い切って庭へ出た。下の縁側からは、母親と妹がすぐそばで寝ているので、とても出られない。そうかといって表口から廻るにも、彼等のまくら許を通らなければならぬ。そこで、おれは二階の自分の部屋が、丁度庭に面しているのを幸、そこの窓から屋根を伝って地面へ降りた。月の光が昼の様にその辺を照らしていた。おれが屋根を伝う怪しげな影が、クッキリと地面にうつるのだ。