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もうもくものがたり
盲目物語
谷崎 潤一郎
「中央公論」1931(昭和6)年9月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 75,341 字 · 148 页
うえはいくらかめんぼくが立つわけだから、おれはおまえにくっついてゆくつもりだ」と、そんなことを云い/\手をひかんばかりになされますので、もうさっきからだいぶんつかれてはおりましたけれども、あえぎ/\いっしょけんめいにはしっておりますと、よいあんばいに敵がたの足軽大将がお乗りものをもっておむかえにまいられまして、とりあえずそれへひめぎみをうつされ、
「座頭、おまえがおつれ申して来たのか」
と申されますから、
「さようでござります」
と申して、いちぶしゞゅうをしょうじきにおはなしいたしましたところ、
「よし、よし、それならお乗りものについてまいれ」
と申されますので、かず/\のじんやのあいだを通りまして御本陣へお供いたしました。
お茶々どのはもう御気分もおよろしいようでござりましたけれども、しばらく御きゅうそくあそばされお手当てをおうけになっていらっしゃいますと、たゞちにひでよし公が御たいめんの儀を仰せ出だされ、ほかのひめぎみたちと御いっしょにお座所へおよびいれなされました。それはまあよいといたしまして、わたくしまでがおめしにあずかりましたので、おざしきのそとのいた