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しょうせんでんしゃのしゃげきしゅ
省線電車の射撃手
海野 十三
「新青年」博文館、1931(昭和6)年10月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 22,355 字 · 45 页
三人の犠牲者はどこの人で、どこを通ってきたのかを調べると三人に共通なもののあるのが発見されると思いますよ。そいつをひっぱってゆくと、十字架と髑髏の秘密結社が出てくるんじゃないですか」
「秘密結社ですって?」
「そりゃ僕の想像ですよ」
戸浪三四郎は呪いの標章についてもっと何かを知っているのだと、警部は悟った。小説家にも尾行をつけることだ。「探偵小説家は実際の犯罪をしない。それは、いつもペンを走らせて犯罪を妄想しているから、犯罪興奮力が鈍っているのだ」と云った人があるが果してそうだろうか。
「だが戸浪さん。犯人を解く謎は、そればかりではなく、沢山あるのですよ」
「謎がそう沢山あると思うのは、大間違いです」と戸浪は軽蔑の口調をあらわして云った。「僕は案外単純な事件だと思うが……」
「戸浪さん、貴方は弾丸が車内で射たれたか又は車外から射ちこんだか、どっちと考えていますか」
「それですよ、大江山さん。僕は昨日その質問をうけたとき、車外説をもち出しました。今夜の殺人の話をきいてみますと、三人が三人とも同じ地点で、同じ右側にかけた人が、同じく心臓を射たれたそうですね。それは車内で射ったとしてもあり得ることですが、その正確なる射撃ぶりから推して、何か車外の地点に、非常に正確な銃器を据えつけて、機械的に的を覘ったのだと考えた方が、面白く