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まひるのおばけ

真昼のお化け

小川 未明

「お話の木」1937(昭和12)年8月

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 7,904 字 · 16 页

青空文庫

」と、光一は、喜んでペスの頭をなでてやりました。そして、えびをあちらの木の根のところへ置いてきて、いっしょうけんめいに、その穴の中からかぶとむしを掘り出すのに、夢中になっていました。

やっと一ぴき捕まえると、まだいるだろうと、光一は、顔を赤くして、顔に汗を流しながら、穴を掘り返していました。また、あちらで、「ワン、ワン。」と、ペスが、ほえました。顔を上げると、驚いたのです。ペスは、えびをくわえて、二、三度頭を振ったが、そのまま、あちらへ駆け出していきました。

「ペス! それは、大事なんだよ。」といって、光一は、後を追いかけたけれど、だめでした。もう、姿は見えなくなってしまいました。

学校の運動場で、遊んでいるとき、勇吉がそばへきましたから、

「勇ちゃん、川へ魚を捕りにいったの。」と、光一は、ききました。

「雷が鳴り出したろう、雨が降るといけないからいかなかった。それで、晩に縁日へいって、金めだかを買ってきたのさ。」

「あのびんに入れた?」

「入れたよ、こんど川へいって、藻を取ってくるのだ。」

光一は、えびを拾った話をしました。

「えっ、あの原っぱでかい。」と、勇吉は、さも信じられないというような、顔つきをしたのです。