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しんしゅうこうけつじょう
神州纐纈城
国枝 史郎
在线阅读国枝 史郎《神州纐纈城(しんしゅうこうけつじょう)》,假名注音日语阅读。JLPT N2,点词查义。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 188,242 字 · 380 页
教主光明優婆塞とは、役ノ行者の石像の下でただ一度しか逢わないのではあったが、それだけで彼には十分であった。
彼はすっかり推服した。
彼は一目惚れしたのであった。
涅槃の釈迦に一目会い、その全人格に霊覚され、「朝に道を聴き、夕に死すとも可なり」と叫んで、即座に縊れて死んだという、ある婆羅門の心持ちが、庄三郎にもあったのであった。わずかの時間の会見ながら、庄三郎にとっては光明優婆塞は、ある意味では「雷霆」であり、またある意味では「太陽」であった。
それだのに今や教団は、教主優婆塞失踪のために、大混乱に墜落った。
そうして現在の教団は、平和の別天地ではなくなった。譎詐奸曲の横行する俗の俗たる穢土となった。
「不思議ではない、当然なことだ」
彼は思わざるを得なかった。
「人間としての優婆塞が、いかに偉かったかということは、この一事だけでも想像出来る。彼らにとっては教理などは、実はどうでもよかったのだ。光明優婆塞その人ばかりを、愛しもし信じてもいたのだ。『仮面の城主』の眷族どもが、教団破壊を企てた時にも、光明優婆塞がいたればこそ、すぐに建設に取りかかったのだ。