轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,662 字 · 68 页
ものを要求してくれと云って来たときには、もう何と云っていいかまるで生き返ったような心持がした。
自分さえ打ちとければ、それに対して片意地な心を持つ者は誰もいないなどと思わないお石は、小さい娘達まで心のひねくれた大人扱いにして、自分独りですねていたのである。
辞退はされるが、どうか何なり欲しいものを云ってくれという使の趣を話されたとき、顔が熱くなるほど嬉しかったお石は、相手をこう出させるために、とっさんはあのとき断って来たに違いないと思った。
若しそうだとすれば、俺ら何のために怒ったろう? ひそかに心のうちではにかみ笑いをしながら、彼女は今度もまた謝絶している禰宜様宮田を珍らしく穏やかな眼差しで眺めていた。
彼は相変らずのろい、丁寧な言葉で断わると、うるさいものと諦めていた番頭は思いがけず、じきに納得して帰ってくれた。
禰宜様宮田は、すぐ帰ってもらったことに満足し、お石は何はともあれ来てくれたことに満足して、家中には久しぶりで平和が戻って来たのであった。
けれども、使は三日にあげずよこされる。そして、ことわられては素直に帰って行く。
「またおきまり通りでございます……」