轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ねぎさまみやた
禰宜様宮田
宮本 百合子
「中央公論」1917(大正6)年7月号
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 34,662 字 · 68 页
二
「ありゃおめえさ禰宜様宮田で、へ……
もうからきしはあ……」
などと、お世辞笑いばかりする。
今の場合、わざわざ拾って来られたところでどうしようもない魚籠だの釣竿だのを、一つ一つ若者の前へ並べたてながら、彼らは財布と銀時計――若者も内心ではどうなったろうと思っていた――をこっそり牒し合わせて、見付からないことにしてしまった。
「オイきっと黙ってろな、え?
ええけ、きっとだぞ!」
皆に拳固をさしつけられた禰宜様宮田は、部屋の隅の方でコソコソと身仕度をした。
そして、大切そうに皆に取り巻かれ、気分もよほどよくなったらしい面持ちをしながら、家からの迎えを待っている若者を眺めてから、愛くしみに満ち充ちた心を持って、裏口から誰も気の付かないうちに、さっさと帰って行ってしまった。
二
今まで、何かにつけて禰宜様宮田は自分の心のうちに年中飢じがって、ピイピイ泣いては馳けずりまわっている瘠せっぽちな宿無し犬がいるような気持になりなりした。平常は半分まぎれて気がつかないでいても、何か少し辛いことや面白くないことが起って来ると、どこかの隅に寝ていた瘠せ犬がムックリと起き上る。