轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

なおこ

菜穂子

堀 辰雄

楡の家 第一部「物語の女」山本書店、1934(昭和9)年11月<br> 楡の家 第二部「文学界」1941(昭和16)年9月号<br> 菜穂子「中央公論」1941(昭和16)年3月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 88,758 字 · 173 页

青空文庫

これまではあんなに雷を恐がった癖に。……

翌日は、霧がふかく、終日、近くの山々すら見えなかった。その翌日も、朝のうちはふかい霧がかかっていたが、正午近くなってから西風が吹き出し、いつのまにか気もちよく晴れ上った。

お前は二三日前からK村に行きたがっておいでだったが、私はお天気がよくなってからにしたらと云って止めていたところ、その日もお前がそれを云い出したので、「なんだか今日は疲れていて、私は行きたくないから、それじゃ、明さんに一緒に行っていただいたら……」と私は勧めて見た。最初のうちは「そんなら行きたくはないわ」と拗ねておいでだったが、午後になると、急に機嫌を直して、明さんを誘って一緒に出かけていった。

が、一時間もするかしないうちに、お前たちは帰って来てしまった。あんなに行きたがっていた癖に、あんまり帰りが早過ぎるし、お前がなんだか不機嫌そうに顔を赤くし、いつも元気のいい明さんまでが、すこし鬱いでいるように見えるので、途中で、お前たちの間に、何か気まずいことでもあったのかしらと私は思った。明さんは、その日はおあがりにもならないで、そのまますぐ帰って行かれた。