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ふきのしたのかみさま
蕗の下の神様
宇野 浩二
「赤い鳥 第六巻第一号」赤い鳥社、1921(大正10)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,862 字 · 12 页
それでどうやらこうやら御飯を炊きましたが、それも残らず食べ切ってしまいまして、愈々夜になりますと、まるで氷の中に埋められたかと思うような寒さです。とても辛抱が出来ませんので、クシベシは又一本柱を切って、それを薪にして体を温めました。言う迄もなく、それも直になくなってしまいますと、又一本柱を切りました。終には屋根も何も曲ってしまったのは言う迄もありません。
すると、夜中から、空一ぱいに拡がっていた雲はとうとう雪になりました。クシベシは、いつかもう薪は燃え切ってしまうし、切れるだけの柱は切ってしまいますし、仕様がないので、いつもの少しばかり土を掘って、その上に、熊の皮を敷いてある寝床の中に、もぐり込みましたが、がたがたと体がふるえるばかりで、とても、眠り入るわけには行きませんでした。
やがてその夜は明けまして、見渡す限りまばゆいような雪景色の上の空は、昨日とはすっかり変って、青々と底の知れない海のように綺麗に澄み切っていました。その下にクシベシの家は見る影もなく、雪におし潰されていました。そして可哀そうに、クシベシはその下で凍えて死んでしまったのでしょう。