轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ふきのしたのかみさま
蕗の下の神様
宇野 浩二
「赤い鳥 第六巻第一号」赤い鳥社、1921(大正10)年1月1日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 5,862 字 · 12 页
「お前さん、大変困っているようだが、これを上げよう」と声を掛けました。で、怠け者のクシベシはひょいと顔を上げますと、目の前にいろいろな御馳走がにゅっと出ているのです。
「これは旨いぞ」とクシベシは思いました。「コロボックンクルの御馳走だな」そこで、
「いや、どうも有難う」と言って、御馳走を受取ろうとしました拍子に、ふと、その御馳走の下にそれを突き出している、それはそれは何とも言えぬ程可愛らしい手が見えたのです。おや? と思いましたが、元々悪賢い男ですから、それが隠れ蓑からはみ出している、コロボックンクルの手だ、と直に気がつきました。すると、「こいつは面白いぞ」とクシベシは考えました。「コロボックンクルは決して人間に姿を見せたことがないという話だが、俺が一つ見てやろう。何の、神様だなんて言ったって、蕗の下にいる位だから、それにこの手から判断しても、小さい、力の弱いものに違いない。取捉まえて、あわよくば、見せ物にして金儲けをしてやろう」とクシベシという男は、先にも言ったように、心のよくない人間でしたから、折角御馳走をくれようとまで言ってくれた親切などは忘れてしまって、いきなり御馳走をさし出してくれた、コロボックンクルの小さい可愛らしい手をぐっと捉まえまして、無理耶理に隠れ蓑を引剥いでしまいました。