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じゃせいのしゅうねん
蛇性の執念
大倉 燁子
「踊る影絵」柳香書院、1935(昭和10)年2月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 18,981 字 · 38 页
文夫様はお殺されになったのに相違ございません』
これには私も驚きました。
『だって自殺と決定したんじゃありませんか。何を証拠にそんなことを云うんですか、そして誰に殺されたと思うんですの?』
『そのお写真の方にでございます。印度にいらっしゃる叔父様』
『叔父様? だって叔父様は印度においでになるのじゃありませんか』
『いいえ、叔父様に違いございません。あの方を先生がどこかで御覧になったとすれば、もう間違いございません。私はあの方のやった仕事だと信じるのでございます。あの日の混雑に紛れて入り込み、巧みに文夫様をお殺しになったに間違いございません』
『だって――、よしんばあの方が入らしたとしても、それは実の血を分けた叔父様じゃありませんか』
『叔父様だから怪しいのでございますよ。先生、先生は御承知ございませんが、その叔父様というのは御実兄にあたる大旦那様を殺し、大奥様を散々苦しめ、御木井家を横領しようと企らんだ、飛んでもない人非人なんでございます』
『それは本当ですか?』
『それですから、叔父様が東京に入らしたと聞いただけでもゾッとするのでございます』
『しかしね、横領しようたって、文夫さんを殺しただけじゃ駄目じゃありませんか。