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しんらんしょうにんについて
親鸞聖人について
吉川 英治
「毎日新聞」1962(昭和37)年10月1日号から9回に分けて連載
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 15,038 字 · 29 页
それは恵信尼が、娘の覚信尼に書いてやりました手紙においても想像することができるんです。
セックスというものは、私はやっぱり一度、相めぐりあった、そして火遊びでなく、夫婦というような形において、この人生を歩み出したからには、等しく相手も同じようなですね、楽しみ、一つになり、明るく、法の恵みにあって、終わりを本当に老の後まで全うすることを、行者宿報設女犯というんじゃないかと思うんです。
人生の終わりを全うするということで、思い出されることがあるんです。終戦後のことですが、戦争中から戦後へ、どうもたいへん苦労をかけた自分の妻をですね、病気しましたんで、その病み上がりになにか慰めてやりたいと思いまして、上方までつれていったんです。まだ戦い終わったばかりで、ちまたはたいへんでした。で、そう丹波市(天理市)の教会で、そこで“もし、あんた少し話をしてくれんだろうか、話をしてくれるんなら、一日車を貸したげる。木炭車の車を貸したげる”といわれましたので、これも女房のためだと思いまして、一時間ほどしゃべりました。それで、木炭車の車を借りまして、ちょうど折りふし、花のころでしたから、吉野山へ行ったんです。