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「ふんしょじだい」のしゅつげん

論理とその実践――組織論から図書館像へ――

中井 正一

中井正一『論理とその実践――組織論から図書館像へ――』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「焚書時代」の出現、生まれ変った赤坂離宮、国立国会図書館について、知識と政治との遊離、地方文化運動報告、図書館法楽屋話、図書館法の成立、野に山にかかる虹の橋、民族の血管、「良書普及運動」に寄せて、機構への挑戦、巨像を彫るもの、国立国会図書館、集団文化と読書、実践について、組織としての図書館へ、地方の青年についての報告、聴衆0の講演会、図書館法ついに通過せり、図書館法と出版界、歴史の流れの中の図書館。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 页

青空文庫

集団文化と読書

「金沢文庫」「足利文庫」などといっていたものが、「図書館」となるには、なんといっても、時代の流れを感ぜずにいられない。封建領主の財宝であり、庫の中に収められる所有物であったものから、大衆のサービスの対象となり、旅館のような、茶館のような大衆の共有物となる事は、大きな一つの変革であった。

一つの都市に、喫茶店の如く二百の図書館が散在するというアメリカの図書館は、この大衆サービスのかたちの図書館の本質的なすがたというべきであろう。アメリカには、個人が五千、六千の蔵書をもつという事は稀であるという。図書館の方に「より完全な」「より便利な」蔵書が待っているというわけである。日本は今大体それに向いつつあるのである。(ところが大学図書館などでは、生徒への開架を禁じはじめたのは滑稽な逆行ともいえるであろう。)

このサービスとしての図書館に向いつつあるこの傾向、「文庫から百貨店のような図書館へ」の一九〇〇年代のスローガンは、五一年の段階で次の飛躍を試みつつある。C・I・E図書館が、本名はC・I・Eインフォーメイション・センターである事がそれである。それは本を読む機能を一歩進め、情報を集める中心、中央気象台と、その一環の組織体のような網の目となりつつある。