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「ふんしょじだい」のしゅつげん
論理とその実践――組織論から図書館像へ――
中井 正一
中井正一『論理とその実践――組織論から図書館像へ――』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「焚書時代」の出現、生まれ変った赤坂離宮、国立国会図書館について、知識と政治との遊離、地方文化運動報告、図書館法楽屋話、図書館法の成立、野に山にかかる虹の橋、民族の血管、「良書普及運動」に寄せて、機構への挑戦、巨像を彫るもの、国立国会図書館、集団文化と読書、実践について、組織としての図書館へ、地方の青年についての報告、聴衆0の講演会、図書館法ついに通過せり、図書館法と出版界、歴史の流れの中の図書館。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 页
宿をとって、小筆を三本買って来て、それをくくってビラを書いた。演説届もそれからしなければならない始末であった。折から春の山の雪が濃く降って来た。二人の青年の叫びつづけるメガフォンの声はすぐにかき消されて行った。女学校のガランとした十三、四人しかいない空虚な電燈の光、寂として雪を聴くかのような重い外の空気、青年と共に在ったあの広島県の山の夜を、私はいいようもないノスタルジアをもって、今まさに東京の塵炎の中から恋いしく思わずにいられない。
翌る日は吉舎町、現知事一行は五台の自動車で乗込んでいたのに遭遇した。青年達は凄愴に緊まりはじめた。この山中に入っている日、突然電報が入った。
「タチアイエンゼツアルヒロシマニスグカヘレ」
今広島に出ては、三郡ばかりを犠牲にしなければならない。しかし本部の予定は絶対である。帰って演説会場に走せつけた。しかしそれは何かの策謀であったのか、相手もいなければ、広告を出していた新聞社も来てはいなかった。私は数人の人に二時間の会心の演説をして、再びスケジュールの山間部に入って行った。或る時は五里の雨の道を走るように可部町に入って、ビラを見て会場を知り、メガフォンを治しながら辿りついたこともあり、二十日市では会場が無断で変っていて豪雨の申をジリジリしながら立ちつくした。