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「ふんしょじだい」のしゅつげん

論理とその実践――組織論から図書館像へ――

中井 正一

中井正一『論理とその実践――組織論から図書館像へ――』。同一底本的分册已合并为一书。收入:「焚書時代」の出現、生まれ変った赤坂離宮、国立国会図書館について、知識と政治との遊離、地方文化運動報告、図書館法楽屋話、図書館法の成立、野に山にかかる虹の橋、民族の血管、「良書普及運動」に寄せて、機構への挑戦、巨像を彫るもの、国立国会図書館、集団文化と読書、実践について、組織としての図書館へ、地方の青年についての報告、聴衆0の講演会、図書館法ついに通過せり、図書館法と出版界、歴史の流れの中の図書館。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 57,021 字 · 120 页

青空文庫

私はこの敗衄を三カ月つづけた。そして一度は、大衆が愚かであって、啓蒙の困難は何れの時代でも経験するところの、ヒロイックな悲劇性を帯びるものであると、いわゆる深刻型のセンチ性でもって片づける誘惑に惹かれた。しかしたとえ二人でも、母ともう一人の青年に語るこの苦痛の中に、私は一つ一つものを憶えていった。実験もしていった。

つまり、私は、大衆、殊に封建性そのものの中に沈澱している農村の子弟に対しては、いろいろの表現すべき秘密があったことを知っていったのである。彼等が、一番反発するのは、自分達のわからない英語、ドイツ語のカタカナが出てくることである。それに出遇うと実に不快な表情を示すことを私はだんだん気がついた。更に語らんとする大切なことを一度だけいって次に進むと、ハッと面白いと思っていても、それを握りしめないうちに取落してしまうらしいことである。必ず大切なことは、他のことばでいいなおして、二度ずついってやると、はじめてうなずいてついて来るのである。そしてそれに、必ず具体的な例を、実例をあげてやると、更にうなずくのである。この「例」は、彼等の身辺のものでなければならない。