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まめせんすいていのゆくえ

豆潜水艇の行方

海野 十三

「家の光」家の光協会、1941(昭和16)年8月~1942(昭和17)年1月号

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 20,245 字 · 41 页

青空文庫

「トニーの旦那、針路は真南でいいのですかね」

「まあ、しばらく真南へやってくれ。そのうちに、無電がはいってくるだろうから、そうしたら、本船の位置がはっきりする」

トニーは、舳に腰をおろして、しきりに受信機をいじっていました。

それからしばらくたって、トニーが、耳にかけていた受話器を両手でおさえました。

「あ、本船が出た。エデン号だ」

トニーは、耳にきこえるモールス符号を、すらすらと書きとっていましたが、そのうちに、彼も電鍵を指さきで、こつこつと、おして、なにごとかを無線電信で打ちました。

そうして、両方でしきりに通信をかわしていましたが、やがてそれもおわりました。

「おい、わかったぞ。左舷前方三十度に赤い火が三つ檣に出ている船が、われわれを待っているエデン号だそうだ。船をそっちへ向けなおして、全速力でいそげ」

トニーは、舷をたたいて、そうさけびました。船は、向きをかえると、出るだけ一ぱいの力を出して、くらい海面をいそぎました。

エデン号に行きついたのは、それから約二時間のちのことでありました。

「エデン号かね。こっちはタムソン部長の命令で、豆潜水艇をつんできたトニーだよ」