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じてん

辞典

戸坂 潤

「経済学大辞典 第四巻」岩波書店、1931(昭和6)年10月、「経済学大辞典 第五巻」岩波書店、1932(昭和7)年1月、「経済学大辞典 追補」岩波書店、1936(昭和11)年10月、「教育学辞典 第一巻」岩波書店、1936(昭和11)年5月、「教育学辞典 第二巻」岩波書店、1937(昭和12)年2月、「現代哲学辞典」日本評論社、1936(昭和11)年9月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 96,131 字 · 186 页

青空文庫

自然科学の外に自然哲学の弁証法的体系を立てるのでもなく、又自然科学の成果の単なる総合に弁証法を持ち込むのでもない。自然科学の研究の過程そのもののうちに弁証法が必然であることを証明し、自然科学的研究そのものを意図的に促進させることを目的とする。この事はおのずから、弁証法の自然に於ける証明ともなるのである。――マルクス(K. Marx)はダーウィンの進化理論を以て自然界の歴史の唯物弁証法を証明するに外ならぬものと見做した。彼の史的唯物論はその意味に於て社会の自然史(博物学)だと説明される。かかる史的唯物論の本質(唯物弁証法)を自然に於ても貫こうとするものがエンゲルスのこの自然弁証法である。

自然弁証法の一般的な特徴は、自然が一つの歴史的過程であることの認識である。従って自然には絶対的に固定したものはなく、又他から絶対的に孤立した部分もない。一切の自然諸現象、諸事物は、歴史的に変化するものであり相互に連関あるものである。之は諸事物、諸現象の相互浸透即ち又対立の統一ということに他ならぬ。この意味に於いて又自然の一切の事物現象は矛盾と矛盾の自然的棄揚(否定の否定)とに基く。