轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みちくさ

道草

夏目 漱石

留学回来刚安顿好,就撞见了十五年前断了关系的人。雨的街头,眼神交汇,过去的恩怨像野草一样疯长出来。

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,812 字 · 293 页

青空文庫

それにもかかわらず彼は自分とこの御婆さんの間に、少しの気脈も通じていない事に気が付いた。

「ああそうですか、それはどうも」

健三の挨拶は簡単であった。普通の受答えとしても短過ぎるこの一句を彼女に与えたぎりで、彼は別段物足りなさを感じ得なかった。

「昔の因果が今でもやっぱり祟っているんだ」

こう思った彼はさすがに好い心持がしなかった。どっちかというと泣きたがらない質に生れながら、時々は何故本当に泣ける人や、泣ける場合が、自分の前に出て来てくれないのかと考えるのが彼の持前であった。

「己の眼は何時でも涙が湧いて出るように出来ているのに」

彼は丸まっちくなって座蒲団の上に坐っている御婆さんの姿を熟視した。そうして自分の眼に涙を宿す事を許さない彼女の性格を悲しく観じた。

彼は紙入の中にあった五円紙幣を出して彼女の前に置いた。

「失礼ですが、車へでも乗って御帰り下さい」

彼女はそういう意味で訪問したのではないといって一応辞退した上、健三からの贈りものを受け納めた。気の毒な事に、その贈り物の中には、疎い同情が入っているだけで、露わな真心は籠っていなかった。彼女はそれを能く承知しているように見えた。