轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
みちくさ
道草
留学回来刚安顿好,就撞见了十五年前断了关系的人。雨的街头,眼神交汇,过去的恩怨像野草一样疯长出来。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 145,812 字 · 293 页
七十
「御病人はどうなの」
あるゆる人間が何時か一度は到着しなければならない最後の運命を、彼女は健三の口から判然聞こうとするように見えた。健三は答を与える先に、まず一種の矛盾を意識した。
「何もう好いんだ。寐てはいるが危篤でも何でもないんだ。まあ兄貴に騙されたようなものだね」
馬鹿らしいという気が幾分か彼の口振に出た。
「騙されてもその方がいくら好いか知れやしませんわ、貴夫。もしもの事でもあって御覧なさい、それこそ……」
「兄貴が悪いんじゃない。兄貴は姉に騙されたんだから。その姉はまた病気に騙されたんだ。つまり皆な騙されているようなものさ、世の中は。一番利口なのは比田かも知れないよ。いくら女房が煩らったって、決して騙されないんだからね」
「やっぱり宅にいないの」
「いるもんか。尤も非道く悪かった時はどうだか知らないが」
健三は比田の振下げている金時計と金鎖の事を思い出した。兄はそれを天麩羅だろうといって陰で評していたが、当人はどこまでも本物らしく見せびらかしたがった。金着せにせよ、本物にせよ、彼がどこでいくらで買ったのか知るものは誰もなかった。こういう点に掛けては無頓着でいられない性分の姉も、ただ好い加減にその出処を推察するに過ぎなかった。