轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

のざらし

野ざらし

豊島 与志雄

「中央公論」1923(大正12)年1月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 19,100 字 · 39 页

青空文庫

手紙にもそう書いてあったわ、ねえ、あなた。」彼女は禎輔の方をちらと見やって、また昌作の方へ向き返った。「そりゃあ東京を離れるのは嫌でしょうけれど、一時九州の炭坑なんて思いもよらない処へ行ってみるのも、却って生活を新たにするのによいかも知れないわ。あなたはいつも、生活を新たにするって、口癖のように云ってたじゃないの。」

「ええ、そういう気持は常にありますが……。」と昌作は漸く口を開いた。「兎に角、生活を新たにするには、それだけの……軸が、心棒が必要なんです。それを探し廻ってるんです。所が生活を立て直す心棒なんてものは……。」

「冗談じゃないわよ。」と達子は彼を遮った。「今はそんな議論の場合じゃないわ。九州へ行くか行かないかの問題じゃありませんか。行くのが却ってその心棒とかになりはしないかと、私は云っただけよ。……でどうするの、行って? それとも行かないの?」

「そうですね……どうしたもんでしょう?」

「あら、あなたはまだ決めていないのね。でも今晩、行くか行かないかの返事をする約束じゃなかったの?」

「そのつもりでしたが、もっと詳しく聞いてからでないと……。」