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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

「その通りだよ。筆で食うつもりなんだよ。御前もそのつもりにするがいい」

「食べるものが食べられれば私だってそのつもりになりますわ。私も女房ですもの、あなたの御好きでおやりになる事をとやかく云うような差し出口はききゃあしません」

「それじゃ、それでいいじゃないか」

「だって食べられないんですもの」

「たべられるよ」

「随分ね、あなたも。現に教師をしていた方が楽で、今の方がよっぽど苦しいじゃありませんか。あなたはやっぱり教師の方が御上手なんですよ。書く方は性に合わないんですよ」

「よくそんな事がわかるな」

細君は俯向いて、袂から鼻紙を出してちいんと鼻をかんだ。

「私ばかりじゃ、ありませんわ。御兄さんだって、そうおっしゃるじゃありませんか」

「御前は兄の云う事をそう信用しているのか」

「信用したっていいじゃありませんか、御兄さんですもの、そうして、あんなに立派にしていらっしゃるんですもの」

「そうか」と云ったなり道也先生は火鉢の灰を丁寧に掻きならす。中から二寸釘が灰だらけになって出る。道也先生は、曲った真鍮の火箸で二寸釘をつまみながら、片手に障子をあけて、ほいと庭先へ抛り出した。