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のわき

野分

夏目 漱石

一个直言不讳的文学老师,在乡村中学碰了一鼻子灰。理想撞上现实的台风,他还能像野分一样坚持自我吗?

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 93,508 字 · 189 页

青空文庫

細君は赤い炭団の、灰の皮を剥いて、火箸の先で突つき始めた。炭火なら崩しても積む事が出来る。突ついた炭団は壊れたぎり、丸い元の姿には帰らぬ。細君はこの理を心得ているだろうか。しきりに突ついている。

今から考えて見ると嫁に来た時の覚悟が間違っている。自分が嫁に来たのは自分のために来たのである。夫のためと云う考はすこしも持たなかった。吾が身が幸福になりたいばかりに祝言の盃もした。父、母もそのつもりで高砂を聴いていたに違ない。思う事はみんなはずれた。この頃の模様を父、母に話したら定めし道也はけしからぬと怒るであろう。自分も腹の中では怒っている。

道也は夫の世話をするのが女房の役だと済ましているらしい。それはこっちで云いたい事である。女は弱いもの、年の足らぬもの、したがって夫の世話を受くべきものである。夫を世話する以上に、夫から世話されるべきものである。だから夫に自分の云う通りになれと云う。夫はけっして聞き入れた事がない。家庭の生涯はむしろ女房の生涯である。道也は夫の生涯と心得ているらしい。それだから治まらない。世間の夫は皆道也のようなものかしらん。みんな道也のようだとすれば、この先結婚をする女はだんだん減るだろう。