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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
野村胡堂『銭形平次捕物控(七)平次女難』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、平次と生きた二十七年。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 页
「…………」
お静の言うのは尤もでした。二度も三度も、明らかに自分の命を狙う者の細工を見せられては、どんな義理があるにしても、このうえ素姓の怪しいお楽を、同じ屋根の下には置きたくなかったのです。気の弱い、もの優しいお静が、思い切ってこう言うのですから、それは本当によくよくの思いだったのでしょう。
「お静」
「ハイ」
「お前は、俺がお上から十手捕縄を預かる身分と知って嫁に来たはずだな」
「…………」
平次の言葉は以ての外でした。嫁入ってから半年あまり、ツイ荒い言葉も聞いたことのないお静は、あまりの事に仰天して、平次の憤怒とも、疑惑ともつかぬ顔を見上げました。お静は息の詰まるような心持だったのです。
「縛られたり、打たれたり、顔へ怪我をしてさえ、一言も泣き言をいわなかったお前が、それくらいのことで、お楽を追い出せとは何ということだ。やはり嫉妬と言われても文句はあるまい――いや、言い訳は聞かない。身まで投げる気になったお楽を助けて、それが気に入らないというような女房は、俺の方でも考え直さなきゃアなるまい。お上の御用を勤めている身体には、いつどんな用事があるかも知れないのに、いちいち嫉妬がましい事を言われちゃ、御用が勤まらないというものだ」