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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(七)平次女難
野村 胡堂
野村胡堂『銭形平次捕物控(七)平次女難』。同一底本的分册已合并为一书。收入:銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、銭形平次捕物控、平次と生きた二十七年。
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 152,696 字 · 310 页
三
「…………」
「増屋の主人は、徳之助の正直をよく見抜いていらっしゃる。奉公人達には嫉みもひがみもあるだろうが、主人の信用さえ変らなきゃ、少しも驚くことはない――」
「ヘエ――」
彦兵衛はポロポロと涙をこぼしておりました。銭形平次が保証してくれれば、もう大手を振って江戸中を歩ける二人です。
「お富との仲が一ぺんに知れ渡って、このままでは横山町の店へ帰りにくいというだけの話さ。お前もよく若い二人に言い聞かせてくれ、――さア入った入った、父さんは苦労人だ、よく解ってくれるよ」
平次は両方へそう言いながら、有明月の隈に小さくなっている二人を招きました。
三
貧しい灯の下に、二人を押し並べて、平次と彦兵衛は、死ぬ気になった無分別を叱ったり宥めたりしました。
「三百八十両は大金だが、増屋の主人は諦めているし、奉公人並といっても、養子のお前だ。一生真面目に働いて、身上を肥らせる気になれば、三百八十両は安い資本のようなものじゃないか」
平次はそう言ってやります。
「金せえありゃ、俺の手で何とでもするが、こんな暮しをしていちゃ、三百八十両はおろか、三両二分も覚束ねえ」
彦兵衛は口惜しがるのです。