轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

かぎ

鍵

谷崎 潤一郎

「中央公論」中央公論社、1956(昭和31)年1月、5月~12月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 102,182 字 · 200 页

青空文庫

―――そうだ、螢光燈の光があまり明るいので眼が覚めたのかも知れない。―――それでも私はただボンヤリしていただけであったが、夫は私の腹の上に落ちた眼鏡を拾って掛け、腋の下を止めて下腹部のところに唇を当てて吸い始めた。私は反射的に身をすくめ、慌てて体を隠そうとして毛布を探ったのを覚えているが、夫も私が眼を覚ましかけたのに気がついて私に羽根布団と毛布を着せ、枕元の螢光燈を消し、フローアスタンドのシェードの上に覆いを被せた。―――寝室に螢光燈などが置いてあるわけはないのだが、夫は書斎のデスクにあるのを持って来たのだ。夫は螢光燈の光の下で、私の体のデテイルを仔細に点※(「てへん+僉」、第3水準1-84-94)することに限りない愉悦を味わったのであろうと思うと、―――私は私自身でさえそんなに細かく見たことのない部分々々を夫に見られたのかと思うと、顔が赧くなるのを覚える。夫はよほど長時間私を裸体にしておいたのに違いなく、その証拠には、私に風邪を引かせまいために、―――そうしてまた眼を覚まさせまいために、―――ストーブを真赤に燃やして部屋を異常に煖めてあった。私は夫に弄ばれたことを、今になって考えると腹立たしくも恥かしく感じるけれども、その時はそんなことよりも頭がガンガン疼くのに堪えられなかった。