轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

「毎日新聞」1955(昭和30)年3月25日~8月15日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 140,106 字 · 283 页

青空文庫

映画館なんかへきていかれるの、いやなのよ。」

しかしそんなことぐらいで引きさがる浜子ではない。

「じゃあ映画みないわきょう。わたし、高校の時の友だちにあいにゆく。あっといわしてやりたいの。」

「じゃあ、とにかく母に相談してみる。」

いいところへ気がついて立ちかかる音枝に、浜子はいち早くむしゃぶりついて、

「よして、音枝さん、おばさんにいわないで。ね、大事に着るからさ。ね、一時間だけ。それならいいでしょ。――三十分でもいい。十分でもいいわ。それもだめだなら、ここで着てみるだけ。身に合うかどうか見さしてよ。」

それでもとは音枝もいいかねた。あのスーツがそんなに浜子の気に入ったのかと思うと悪い気もしなかったのだ。浜子はすぐ音枝の部屋からスーツの箱をとり出してきて、にこにこしながらスカートをはきはじめた。

「いいわね。ついでにブラウスもかりよう。」

苦笑している音枝にはおかまいなく、勝手にブラウスを着かえてきて音枝の前に立ち、

「ほら、素敵でしょ。わたしの勘て相当ね。ぴったりよ。」

だがそれは浜子の勘のよさではなかった。音枝の留守の間に浜子は勝手に洋だんすをあけて、目ぼしい服をみんな着てみたのである。