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ゆきのふったひ
雪の降った日
小川 未明
「お話の木」1938(昭和13)年2月
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 5,110 字 · 11 页
あの人がごみ捨て場にあったのを拾って、とどけてくださったのですよ。なんと正直なくず屋さんではありませんか。」と、お母さんは、いわれました。
「そうだったか。」と、年ちゃんは、思い当たると、ため息をつきました。いつか、原っぱのごみ捨て場で、紙くずや、菜っ葉を拾っていた女の人だ。あのとき、自分は、乞食かと思ったが、そんなに正直な感心な人であったのかと、さげすんだことが、かえって恥ずかしくなりました。
きよが、田舎から帰ると、お母さんは、くず屋さんがとどけてくれた手紙をお渡しになりました。きよは、驚いて、
「まあ、どこにございましたか。」と、きよは、目をまるくしたのです。そして、土に汚れた自分の手紙をいただいて、封筒を開けると、中からしわくちゃになった為替券が出てまいりました。
「女のくず屋さんが、とどけてくれたのです。きっと、おまえが、紙くずや、すえぶろの灰を原っぱへ捨てるときに、いっしょにまちがって捨てたのです。話をきくと、そのくず屋さんは、夫に死なれてから、二人の子供を育ててきたのだそうです。貧乏していても、正直で、感心じゃありませんか。」と、お母さんは、おっしゃいました。